2012年08月16日

豆絞り


みなさま、こんにちは。

本日のタイトルは 豆絞り 。
またまた出ました、夏祭りワード!

豆絞りの登場の前に、まずはいきさつから。




事の始まりは3日前―――――

暑い夏の昼下がり、何の前触れも無くそのエアコンは壊れた。家の西側の2階部分にあたるその部屋には、ピアノが一台置かれていて、午後になると西日が鋭く射し込んでくる。

「午前中は普通に動いたのに」

實川はリモコンでスイッチを入れては切り、切っては入れ、その度にエアコンを訝しげに睨みつける。しかし、彼のそんな思いも虚しく、常に除湿26℃に設定してあるエアコン(彼は冷房よりも湿気の取れる除湿の方が好きなのだ。)の送風口からは、生ぬるく力ない風がゆらゆら出るばかりであった。

この暑いさなかでのエアコンの故障、それは、スクリアビン(註1)の練習が困難を極めることを意味した。熱中症の危険もある。数日後に演奏を控える彼にとっては、死活問題とも言える事態であった。

だがしかし、そこは呑気なもの。生来實川という男は、先の見通しが甘く、その事で多少の失敗もしてきているのだが、実のところその性格自体を大して悔いていないようなところがある。
そのため今回も、確かに暑いが、このくらいならば扇風機で対処できるだろう、それに夜になれば、コロっと直っているかもしれぬ、そんな事を考え練習に戻った。






十数分後、彼は自身の想像力の甘さを改めて悟った。
練習などままならない。
当然窓を開けることは許されない。
暑い、暑い、暑い、
彼の頭から、スクリアビンの狂気はすっかり吹き飛んでしまっていた。



室温33℃の条件下、いかにして快適な練習環境を得るか、その手腕が試されている。彼の心には、そんな危うい使命感が仄かに宿りはじめていた。

(序章 終)


(註1)スクリアビン・・・アレクサンダー・ニコラエヴィチ・スクリャービン(1872-1915)はロシアの作曲家・ピアニスト。ここで言及されているのは、スクリャービンの難曲の一つ、幻想曲作品28と思われる。






えー・・・
ここからが本題なのですが、この文体で書いていると、予想以上に時間を要するので、序章をもって完結としたいと思います。笑


結局、エアコンの冷やす機能はほぼ完全に壊れてしまったらしく、エアコンを早速購入しました。
購入したのですが、お盆休みを挟むせいか、設置は19日以降とのこと、、つまり1週間近くはエアコン無しでの練習をすることになりました。

まず初日の装備は、
保冷剤・豆絞り・濡れタオル・扇風機
です。


と赤字で大きく書かれた豆絞りに、大きい保冷剤を挟み込み、それを頭に巻き付けました。
そして、首にかかるのは水に濡らしたタオル。完全にお祭りスタイルです。
バッハが似合わないこと、この上無し。



まめしぼり.jpg



二日目には氷枕を導入、そして三日目は効率の良い換気法の探究、

そして今日は、別の部屋(エアコン有)にある、子供の頃使っていたアップライトピアノで練習、という裏技を使いました。



・・・はて?
最後のは、ギブアップではないか?
と思う方もいらっしゃると思います。

そのとおり、間違いありません。

保冷剤を頭に巻いたり氷枕を背中に入れたり、弾きにくい上に結局暑い、という研究成果のもと、上手く折り合いをつけた、ということにしておきましょう。笑



人間同士もカッカせずに上手い具合にやっていければいいのに、とニュースを見て思う今日このごろです。
posted by 米 at 18:06| Comment(8) | 日記

2012年06月20日

江口先生 リサイタル


昨日は築地の浜離宮朝日ホールにて、江口玲先生のピアノリサイタルがありました。

ホロヴィッツが愛用していた、1912年に作られたCD75という型番のニューヨークスタインウェイを運び入れてのコンサートでした。

プログラムはオールリストで、
・アルカデルトのアヴェマリア
・巡礼の年第2年全曲
* * *
・バラード2番
・コンソレーション3番
・リゴレットパラフレーズ
・ハンガリー狂詩曲2番(ホロヴィッツ編)

という、強烈な重量感!


感想としては、圧巻の一言です・・・
美しいハリのある弱音、そして底無しのようなバイタリティー、こんな演奏ができる日本人はいないのではないか、いや、世界見渡してもそうそういないと思いました。

手は見えない位置でしたが、ハンガリー狂詩曲と、アンコールの星条旗よ永遠なれ(ホロヴィッツ編)では、あまりのヴィルトゥオーゾぶりに、もう思わず演奏後の拍手では爆笑しながら手を叩いておりました。笑
連弾でも弾ききれないような音数とポリフォニーを完全にコントロール下においている江口先生、どんな頭の構造をなさっているのでしょうか・・・

自分も自分のスタンスを大切にしつつ、さらに終わりない上を目指していこうと思いました。
明日の夜に、江口先生が芸大奏楽堂で芸大フィルとラフマニノフのパガニーニ狂詩曲を、またホロヴィッツのピアノで演奏されます。お時間のあるかたは是非!



さて、、、来週月曜日25日に銀座のヤマハさんで開かせていただく、濱野君とのジョイントリサイタルですが、先日チケットがソールドアウトいたしました。ご予約くださった皆さま、ありがとうございます!

バッハ・ショパン・シューベルト・スクリャービンと、気がついたら陰鬱な曲が4つ並んでしまいましたが(笑)、一つ一つ丁寧に世界を描けたらと思います。



posted by 米 at 18:41| Comment(5) | 日記

2012年04月19日

早速使わねば


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門下からの卒業祝いのプレゼント!
重ねると顔になる、お茶碗とおわんのセットです。


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・ ・ ・これはかわいい(笑)


どうやらご飯好きという事実が広く浸透しているみたいです。
他に、コンパクトで便利な、携帯用の箸・スプーン・フォークのセットも。

ありがとう!!



卒業といえば、、、

明後日はいよいよチャイコフスキーの本番です。
月曜日に最初のオケ合わせがありましたが、なんといってもこの曲はオーケストラと一緒に弾けるだけで楽しい!
初めて合わせたので怖いところもありましたが、全体に調子にのって弾きすぎた気がするので(笑)、次からよく音を聞きながら弾けるように調整していきます・・・

指揮者のボストック氏は非常に親切かつ、熱く音楽をリードしてくださるので、身をゆだねて演奏したいと思います。

明日は前日リハーサル。
しっかりとやってまいります。

posted by 米 at 00:25| Comment(4) | 日記